龍安寺

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古都京都の文化財

龍安寺(りょうあんじ)は、京都府京都市右京区にある臨済宗妙心寺派の寺院で、石庭で知られています。
山号を大雲山と称し、本尊は釈迦如来、開基(創立者)は細川勝元、開山(初代住職)は義天玄承で、「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されています。

歴史

「龍安寺の石庭」として知られる枯山水の方丈石庭で有名な龍安寺は、禅宗が盛んだった室町幕府の管領、守護大名で、応仁の乱の東軍総帥でもあった細川勝元が宝徳2年(1450年)に創建した禅寺です。
衣笠山山麓に位置する龍安寺の所在地は、藤原北家の流れを汲む徳大寺実能以来、徳大寺家の山荘であったところを、細川勝元が譲り受けたものです。

鏡容池

寺の南側には広大な鏡容池(きょうようち)があり、周囲は回遊式庭園になっている(国の名勝)。
境内北側には方丈(本堂ともいう)、仏殿、茶室蔵六庵などが建ち、これらの西側には非公開の「西の庭」があります。
西の庭には開基細川勝元の木像を祀る細川廟などがあり、著名な石庭は方丈南側の土塀で囲まれた中にあります。
寺の背後には第66代一条天皇を含め5人の天皇の陵墓があります。

方丈庭園

方丈庭園は、史跡・特別名勝で、いわゆる「龍安寺の石庭」で幅 22 メートル、奥行 10 メートルほどの敷地に白砂を敷き詰め、帚目を付け、15個の石を一見無造作に5か所、点在させただけのシンプルな庭です。
巨大な中国の山水の世界を日本人独特の感性を研ぎ澄まして写した「枯山水」の庭で、最大の特徴は、「水を感じさせるために水を抜く」ということで、水を見立てられるようなものを作り、白砂も大海をイメージし、岩は島というより山に近いです。
15個の石は、庭をどちらから眺めても、必ず1個は他の石に隠れて見えないように設計されているといいます。
しかし、中の部屋から1ヶ所だけ15個の石全てが見える位置があります。

禅の境地を表現

世界からも注目されているため、方丈の石庭を目当てに海外からの観光客も多く訪れます。
方丈はほかにも水戸光圀が寄進したという蹲踞(つくばい)や、豊臣秀吉が賞賛した日本最古の侘助椿など見どころが多数あります。
作者や作庭年代は不詳であるなど謎が多く、禅の境地を表現したものといわれますが、解釈は見るものに任されています。
見る人がそれぞれ自由に解釈すればよく、それがこの石庭の最大の魅力でもあります。
この庭は、15の石が東から西へ5・2・3・2・3で配置されていることから「七・五・三の庭」とも、石の配列の妙から「虎の子渡しの庭」とも呼ばれています。
どの位置から見ても、一度にすべての石を見ることができない不思議な造りです。

知足の蹲踞

知足の蹲踞(つくばい) とは、茶室蔵六 庵の露地にあるもので、蹲踞は茶室に入る前に手や口を清めるための手水を張っておく石の ことです。
茶室蔵六庵の露地にあり、石庭とは建物を挟んで反対側にあります。
そこには蹲踞とよばれる茶室に入る前に手や口を清めるための手水を張っておく石が置かれてあり、その歴史を感じさせる石は情緒あふれる光景となっています。
蹲踞には真ん中が四角くなっており、それを囲むように「五・隹・疋・矢」の4字が刻まれています。
これには石庭の関係のある非常に深い意味が込められているものなのです。
吾唯知足には「われ、ただ足る」という意味が込められており、その意味合いから石庭の石が「一度に14個しか見ることができない」ことを「不満に思わず満足する心を持ちなさい」という戒めの意味が込められているのだといいます。

お土産

龍安寺の方丈には拝観の記念に最適なお土産グッズがいくつか揃っています。
絵葉書や硯石・和菓子などがあり、お土産として買って帰る観光客が多いです。
その中でおすすめはシンプルにデザインされた「石庭手ぬぐい」で、手ぬぐいは1本420円で贈り物としても喜ばれます。

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所在地マップ

【所在地】京都府京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13

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