玄武洞

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国の天然記念物

玄武洞(げんぶどう)は、兵庫県豊岡市赤石の円山川東岸にある洞窟・絶壁です。
国の天然記念物に指定され、山陰海岸国立公園に含まれ、玄武洞のほか、青龍洞・白虎洞・南朱雀洞・北朱雀洞の洞窟が玄武洞公園として整備されています。
約160万年前の噴火によって噴出されたマグマが冷却され、玄武岩溶岩の厚い層が形成されたもので、その後、河川による侵食により玄武岩塊がむき出しとなったものです。
玄武洞の玄武岩はマグマが冷却される際に体積が小さくなることでできる割れ目(節理)が顕著で切り出しやすかったこともあり、これを人々が採掘し、その採掘跡が洞窟として残ったものです。
つまり洞窟は天然のものではなく、坑道・採掘跡地であるということです。
ここで切り出された玄武岩は周辺地域で漬物石や石材として使われており、現在でも城崎温泉の大谿川護岸や豊岡の石積みなどで見ることができます。

名前の由来と歴史

玄武岩の柱状節理によって、洞窟内では亀甲状の天井や5~8角の石柱がみられます。
江戸時代後期の文化4年(1807年)幕府の儒学者・柴野栗山がここを訪れ伝説上の動物玄武の姿に見えることから「玄武洞」と名付けられています。
玄武洞は160万年前に起こった火山活動でマグマが山頂から流れ出して固まる時に、規則正しいきれいな割れ目をつくりだしたものです。
6000年前波に洗われて姿を現し、数知れない玄武岩が積み上げられて地下から地上へ、更に空へと続いています。
トコロ天をグイと押し出して固めたように見える六角形の柱を束ねたような不思議な美しさを見せ、国の天然記念物に指定されています。
玄武洞公園の4つの洞の名前は、天の四方を守る4つの神の名前を取ってつけられたものです。
北朱雀洞は羽をひろげた朱雀の姿に似ていることからつけられたものです。

青龍洞

「青龍洞」は、玄武洞の中では最も長い節理が見られます。
洞の高さは33m、巾40mで石柱は中央に向かって傾斜しており、長い節理は1個で15mに及ぶものもあります。

白虎洞

「白虎洞」は、横の節理ばかりが並んでいます。
傾斜をした地形の上に流れて固まったためか、出来る時地すべりか地震によって移動したためだともいわれています。

南朱雀洞

すべてが小さいけれど、よくまとまっている洞が「南朱雀洞」です。
玄武洞はみな、洞を大きく眺めると、全体として球状の形になっており、ここから一番最後の熱が抜け出したと考えられています。

城崎温泉

観光としては、付近に城崎温泉があって外湯めぐりの発祥地ともなっています。
地蔵湯・柳湯・一の湯・御所の湯・さとの湯・まんだらの湯・鴻の湯と七つの外湯をめぐることができます。

地蔵湯

「地蔵湯」は、家内安全・水子供養、衆生救いの湯といわれ、江戸時代、村民多数の入浴が見られ里人の外湯として親しまれていたお湯です。
この湯の泉源から地蔵尊が出たのでこの名があり、此来庭内に地蔵尊をまつってあります。

柳湯

「柳湯」は、子授安産、子授けの湯といわれ、中国の名勝西湖から移植した柳の木の下から湧き出たというのでこの名があります。
以前はこの裏側にあり、外傷やはれものに著効があったといわれます。

一の湯

「一の湯」は、合格祈願・交通安全、開運招福の湯で、江戸中期温泉医学の創始者後藤艮山の高弟香川修徳がその著「薬選」の中で当時新湯といったこの湯を、天下一と推賞したことから名づけられました。

御所の湯

「御所の湯」は、火伏防災・良縁成就、 美人の湯で、南北朝時代の歴史物語「増鏡」に文永四年(1267年)後堀河天皇の御姉安嘉門院が入湯された記事があり、御所の湯の名はこれに由来します。
江戸時代、西隣に陣屋がおかれ「殿の湯」または「鍵の湯」と呼ばれた湯があったが、明治になって御所の湯と呼ばれるようになりました。

さとの湯

さとの湯」は、駅舎温泉となっていて、1,400年前より温泉が湧き続ける城崎では古くから心身を癒す風土が育まれ受け継がれています。
そんな城崎らしさに現代性をプラスして誕生したのが「さとの湯」で、エキゾティックな雰囲気が漂いハーブの香りや滝の音に満ちた不思議な空間を楽しめます。

まんだらの湯

「まんだらの湯」は、商売繁盛・五穀豊穣、一生一願の湯養老元年(717年)温泉寺開祖道智上人の曼陀羅一千日祈願によって湧き出たのでこの名があります。
その後八百年を経た頃、にわかに沸きあがって熱湯となったが、折よく来あわせた京都の僧日真上人が曼陀羅を書いて泉底に沈め、修法の結果数日にして適温に復したといいます。

鴻の湯

「鴻の湯」は、夫婦円満・不老長寿、しあわせを招く湯として、外湯の中で最も古くから開けた湯で、舒明天皇の御代(1400年前) こうのとりが足の傷をいやしたことから発見されたといういわれにもとづいて名づけられました。

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所在地マップ

【所在地】兵庫県豊岡市赤石

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